永代供養(えいたいくよう)という言葉をご存知でしょうか?
永代供養とは、お墓参りをする身内がいない場合や、さまざまな事情でご先祖様を供養し続けることができない場合に、寺院や霊園が管理・供養をしてくれる納骨方法です。
永代供養は2000年頃から増え続けていますが、選ばれている一番の理由は費用を抑えられることでしょう。
しかし、永代供養にはメリットもあればデメリットもあります。
そこで今回は、永代供養について費用相場やメリット・デメリットなど徹底解説します!
目次
永代供養(えいたいくよう)とは?
冒頭にも書きましたが、永代供養とは寺院や霊園が代わりに管理・供養をしてくれる埋葬方法です。
永代というと永遠と勘違いされる方もいますが、決して「永遠に」というとではありません。
一般的には、33回忌や50回忌までを期限とするところが多いですが、中には17回忌までというところもあるので、事前にしっかり確認をするようにしましょう。
契約期間が過ぎた遺骨は合祀・合葬され、他の遺骨と共に永代供養墓などで供養が行われることがほとんどです。
永代供養での法事は必要?
永代供養墓の場合、管理者である寺院や霊園が責任を持って供養してくれます。
なので、基本的には遺族の方で法事を行う必要はありません。
一般的には命日・お盆・春と秋のお彼岸・回忌供養などで供養してくれます。
個人的に法事を行うこともできる
管理者が供養してくれるからといって、遺族側が法事を行ってはいけないという事ではありません。
遺族側でも供養をすることで、故人の冥福を祈ることができますし、故人への追善供養にもなります。
極楽浄土へ行けるようになるという考え
また、遺族や親族が集まることで、故人を十分に偲んであげられる良い機会となるので、可能であれば法要を行いましょう。
ただし、事前にお寺や霊園との打ち合わせが必要ですので、注意して下さい。
永代供養料の費用相場とお墓の種類について
永代供養には大きく分けて3つお墓の種類があります。
お墓の種類によって費用相場は変わってきますので、それぞれ見ていきましょう。
合祀墓タイプの費用相場
合祀墓とは他人の遺骨と一緒に納められるタイプのお墓です。
注意点としては、遺骨を返してもらうことはできなくなります。
しかし、永代供養墓の中では費用を一番安く済ませることができるのが特徴です。
相場 5~10万円
集合墓タイプの費用相場
集合墓とは1つの大きい墓石に、納骨スペースが個々で区切られているタイプのお墓です。
合祀墓のように、他人の遺骨と混ざることはありませんが、一般的には33回忌が過ぎると共同納骨室に移動になります。
相場 15万~25万円
単独墓・夫婦墓タイプの費用相場
通常のお墓と同様に個別の墓石を建てて、納骨するタイプのお墓です。
お墓の管理をしてくれる家族はいないけれど、他人と一緒に納骨されるのには抵抗があるという方や、予算に余裕のある方に選ばれています。
従来のお墓と同じように墓石を建立しますので、費用は一番かかるでしょう。
相場 100~300万円
その他の費用相場(納骨堂・樹木葬)
・納骨堂
納骨堂タイプの永代供養墓は、骨壷ごと個別に遺骨を安置する納骨堂形式のものが一般的です。
費用相場は、供養の回数や期間と納骨堂の種類によって大きく変わってきます。
自動搬送式の納骨堂の場合、ICカードなどの認証で参拝場所に遺骨が搬送される形式で高額です。
相場 10~100万円
・樹木葬
樹木葬タイプでも、合祀・集合・単独があります。
お墓の形式やお住まいの地域によって費用はかなり違ってくるでしょう。
一般的には都会ほど高くなる傾向になります。
相場 5~100万円
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墓じまいからの永代供養について
先祖代々のお墓があるけれど、将来お墓を管理する人がいなかったり。
お墓が遠方にあるため、なかなかお墓参りに行けない。
などの理由により、墓じまいをして永代供養する方が増えてきています。
永代供養と墓じまいについて、流れやかかる費用を詳しく見ていきましょう。
一般墓から永代供養墓に切り替える方法・手順
では実際に、先祖代々のお墓から永代供養墓に切り替える流れを解説します。
①親族に相談する
墓じまいをするときは、必ず親族に相談しましょう。
お墓は貴方だけではなく、一族全体に関わってきます。
後々のトラブル(親戚がお墓参りに行ったらお墓が無かったなど)を回避するためにも、予め相談が必要です。
②お寺または管理者に墓じまいの旨を伝える
特にお墓がお寺にある場合は注意が必要です。
墓じまいをするということは、檀家(だんか)をやめる、要するに離檀するということです。
離檀すると「離檀料」がかかる場合がほとんどで、離檀料の相場は20万円前後と言われていますが、離檀料は正直言い値の世界です。
中には何百万円も請求されたなど、社会問題にもなってきています。
そういったトラブルを避けるためにも、「離檀します。」とは言わず
あくまで相談という形で「後継者がいないため、墓じまいをして永代供養に切り替えたいのですが。」などと言ってみると良いでしょう。
お寺側も無縁仏になるのは避けたいはずです。
③永代供養先を決める
先ほどお話しした合祀墓や樹木葬・納骨堂などの永代供養先を決めます。
しかし、墓じまいからの永代供養の場合、そのままそのお寺で永代供養してもらうことが多いと思います。
④自治体で「改葬許可証」の発行をする
墓じまいをすると遺骨を別の場所に移すことになります。
このことを改葬といいますが、改葬には自治体が発行する「改葬許可証」が必要です。
許可証を発行するためには、以下の3つの書類を役所へ提出します。
・埋蔵(納骨)証明書
墓地管理者に発行してもらう ※遺骨1体につき1通必要
・受け入れ証明書(墓地使用許可証)
改葬先(引っ越し先)の管理者に発行してもらう
・改葬許可申請書
役所でもらう※遺骨1体につき1通必要
⑤魂抜き(閉眼供養)をする
お寺にお願いして閉眼供養をしてもらいます。
この時、できる限りの親族に出席してもらいましょう。
閉眼供養のお布施費用は3~5万円が一般的です。
⑥お墓の撤去工事
お墓を解体し、更地にしてお寺に返します。
お墓の撤去工事費用は、お墓の数・大きさ・区画の広さに応じて異なりまが、平均的にはおよそ15万円前後が多いようです。
⑦遺骨を永代供養先に納骨
最後に永代供養墓へ納骨です。
取り出した遺骨を永代供養先に持って行きます。
納骨する際は、永代供養料・納骨費用・初年度分の管理料が必要です。
また、お寺で永代供養してもらう場合、遺骨を納めると本堂で法要を執り行います。
今後の供養はお寺に任せることになりますので、服装・身だしなみ・忘れ物のないようにしましょう。
永代供養まとめ
永代供養についておさらいします。
・永代供養とは寺院や霊園が代わりに管理・供養をしてくれる埋葬方法
・個人的に法事を行うこともできる
・お墓の種類は合祀、集合、単独、納骨堂、樹木葬など
・相場は5万円~単独墓となると何百万円もする
・墓じまいから永代供養に切り替えると離檀料をとられる
・離檀料でトラブルになるケースが増えている
・墓じまいには許可証が必要
メリットは供養をお任せできる点と、費用を安く抑えることもできるところです。
また、デメリットは供養期間は永遠ではないということと、墓じまいをする場合お寺とトラブルになるケースが増えていることです。(離檀料など)
いずれにしても、永代供養・墓じまいについては一人で決断せず、家族や親族に相談しましょう。
後々のトラブルを避けるためにも必要です。