前回は「樹木葬」という埋葬方法のお話しをさせて頂きました。
今回のお話しは、樹木葬と同じく年々増えつつある「散骨」についてです。
みなさんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
遺骨を「海や山に撒く」という埋葬方法です。
では、実際に海や山に散骨して法律的に問題ないのでしょうか、違法ではないでしょうか?
また、費用や相場はどれくらないのか。
散骨について徹底解説します!
目次
散骨とは
散骨とは、遺骨をお墓に埋葬するのではなく遺骨を粉末状にした後、海や山などに撒く形式をとるものです。
生前に「お墓に入りたくない」「私の遺灰は海に撒いてほしい」という希望があった場合に選択される埋葬方法で、樹木葬とともに年々増加している埋葬方法になります。
散骨が増えている理由としては、核家族化や少子化により先祖供養への意識が薄れつつあるといった時代の流れと、金銭的に余裕がない人が多くなってきているからです。
では、散骨における費用相場を見ていきましょう。
散骨の種類と費用や相場
散骨には大きく分けて4つの方法があります。
・海に散骨
・山に散骨
・空に散骨
・宇宙に散骨
それぞれの特徴と値段を解説します。
海に散骨
海への散骨は一番選ばれている散骨方法です。
「海洋葬」とも呼ばれ、一般的な海洋葬は船で他の人に迷惑のかからない沖合まで出て散骨を行うため、専門業者に依頼して行います。
①個別散骨プラン 10万円~30万円
1つの家族だけで船をチャーターし散骨をするプランで、 日時も自由に指定でき故人様を偲びながらゆっくりとお別れができます。
②合同散骨プラン 7万円前後
複数の家族が同じ船で散骨を行うプランで、チャーター代を分担するため安く済みますが、乗船できる人数が決まっていたり、日程が指定されたりと、個別の場合に比べると制限があります。
③代理散骨プラン 2万5千円~5万円
最も費用がかからないプランで、体力的に船に乗船することが不安な方や、遠方で現地にお越しになれない方にオススメです。
散骨後は散骨ポイントが分かる、散骨証明書を発行してくれる所があります。
山に散骨
故郷の山や綺麗な山に散骨する方もいます、割合としてはかなり低いようです。
山で埋葬したい方は樹木葬にするからでしょう。
山では基本的に所有者(私有地・国有地・公有地)いるため、山で散骨する場合には専門業者に依頼した方が良いです。
費用相場は5万円~15万円
空に散骨
空から海へ散骨する方法です。
ヘリコプターや小型飛行機をチャーターしなければならないので、費用はどうしても高くなります。
また、乗れる人数も4人ぐらいと少ないので注意しましょう。
費用相場は40万円~50万円
宇宙に散骨
最近では宇宙へと散骨する方もいます。
宇宙への散骨の仕方は基本的に2種類あり、その方法によって費用が全然違います。
①バルーン散骨
バルーンに故人の粉骨した遺骨を詰めて、空に舞い上がらせる方法で成層圏まで上げていきます。
そして、成層圏まで上がったバルーンは熱で徐々に膨張して破裂して散骨となるのです。
相場費用は10万円~30万円
②ロケット散骨
数ある散骨方法の中で一番費用がかかる埋葬方法です。
ロケットに遺灰入れて月に着陸した後、月面上に散骨する方法になります。
費用相場は100万円~300万円
散骨は違法?法律的に大丈夫なのか
散骨にもルールがあり、それを守らなければ違法になる可能性があります。
それぞれの散骨方法での違法性について見ていきましょう。
海へ散骨する場合の違法性
日本の法律では「個人が節度をもって行う散骨」においては違法ではありません。
この、節度をもって行う散骨というのが重要です。
・遺骨は粉末状の遺灰にして散骨すること
・環境問題や他人の土地への配慮をすること
この2点を守れば大丈夫でしょう。
養殖場や海水浴場などに散骨するのは絶対やめてください。
山へ散骨する場合の違法性
山への散骨も粉末状にしていれば基本的には大丈夫です。
しかし、自治体よっては禁止されているので注意しましょう。
山には必ず所有者がいます。
国有地・都道府県所有地・私有地など様々なので、個人で散骨をする場合には必ず所有者を調べて下さい。
その後、許可を取る必要があります。
空へ散骨する場合の違法性
空から海へ散骨をするのですが、こちらは航空法に基づき事前の届出で許可を受けたものしか機外に放つことができないので、よく分からない場合は業者に任せましょう。
宇宙へ散骨する場合
こちらも粉末状にしてあることが条件で、日本国内からの打ち上げであれば、バルーン・ロケットともに問題ありません。
ただ現状、宇宙へ散骨する方が少ないため、今後増えれば何らかの規制ができるかもしれません。
おわりに
いかかでしたでしょうか?
散骨といっても色んな方法があるのが分かったと思います。
いずれの散骨方法にせよ、現状は法律的にはグレーゾーンのようです。
・粉末状にすること
・節度をもってすること
これらを守っていれば問題ないでしょう。
節度をもってというのが、けっこう曖昧ですよね?
そんな時は迷わず専門業者に依頼した方が安心です。